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2014年5月19日

私に使われている治療機器はキレイなの?

5月18日付の読売新聞の一面にある歯科関連の記事が掲載されました。

 

「歯削る機器7割使い回し」「滅菌せず院内感染懸念」 国立感染症研究所がある県の歯科医院を対象に 歯を削るドリルを取り付けた柄の部分(歯科用ター ビン)が、各患者ごとに滅菌したものと交換しているかアンケートしたところ、「必ず交換」との 回答は34パーセントだった。というものです。

要するに、約70パーセントの歯科医院では、お口の中に入り、唾液や血液の付いた可能性のある 機器が、使い回されていたという事になります。

しかも、この調査はあくまでアンケート(自己申 告)で、その回答率も28パーセントと大変低く、実際にはもっと多くの歯科医院で滅菌されていな い機器が使い回されている可能性があります。

この記事を読んで不安に感じた方も多くいらしたかと思います。以前にもお話ししましたが、日本 の歯科医院における滅菌、消毒は各歯科医院の自助努力に任されています。これは、医療人として、 滅菌、消毒をするのは当たり前であり、あえてこれをチェックする必要は無いという考えに基づ いています。

 

しかし、実際には今回のアンケート結果が示すとおり、歯科医師は歯を削ったり、詰めたりする 事には熱心だが、院内感染症対策には無関心だったという事が露呈されました。 つい最近も、友人の診療室を訪ねた際に、治療ユニットに歯科用タービンが付けっ放しにされて いるのを見かけました。

どんなに立派な建物でも、どんなに最新の治療をしていようとも、滅菌 や院内感染の対策をしていない歯科医師は医療人として失格です。

 

幸い私は歯科麻酔を専門にしていた関係で、院内感染には以前より関心を持って診療を行ってき ました。当院では、平成10年の開院以来、歯科用タービンは全て一本ずつ「高圧蒸気滅菌」した ものを、治療の度に交換しています。

今後とも、院内感染予防には万全を期して参りますので、ど うぞ安心してご来院ください。